白きクワガタの伝説 メモリー5 サマーデイズ
龍祐「さて…後は自由研究を残すだけっと♪」
夏休みに出された課題をすませ、カレンダーを眺める。先ほど書いたように今は夏休み。テンポが早いよなんてツッコミはなし。今は7月24日、ちなみに龍祐は宿題を早く終わらせるタイプ。
龍祐「って、あれ?他の二人は?」
他の二人は…
リオン「リュー、それは本棚においてくれ。レイス、これを食品のところに。」
バイト。
リオンS「いっけぇぇぇぇ!ウイング、龍牙爆砕けぇぇぇぇぇぇん!」
ウイング「おおおおおお!」
メダリンク。
さて…肝心の主人公ですが…
ハヤト「あ〜わかんねぇ!やめやめ、ロボトルしに行くぞ!」
どうやら宿題をやめてしまったようです。
ハヤト「って…あれ?お〜い、エクスカリバー?」
エクス「お〜い、ここだぁ。抜け出せなくなったぁ。」
物置の中にいるようです。
ハヤト「わかった。今からそっち行くから待ってろ。」
エクス「わりい、わりい。俺もリューとかファイアみたいなのが欲しくてさぁ。そういえば、かなり古いティンペットがLHB型と一緒にいれてあったんだけど、あれ、何?」
目を瞑り、数秒の間考える。静寂が一瞬訪れる
ハヤト「……………わかった、お前には話そう。前のエクスカリバーの事を。」
エクス「前の…俺?」
静かに首を振る。
ハヤト「正確に言うとお前じゃない。LHB型のボディをつけた俺の前のメダロットだ。そうだな、何から話せばいい?」
エクス「なんで死んだのか。」
ハヤト「あいつの持つMFの限界に力量が超えてしまったんだ。俺を助けるためにそのMFを使い…それが原因でメダルが割れた。」
エクス「MFの限界を超える?」
ハヤト「…分かりやすくいうとコップの中に水を入れる。目いっぱい入れると水があふれるだろ。それとおんなじことだ。」
エクス「それで前の奴は死んだのか…。」
黙って頷く。
エクス「………だからって、そんなくらい顔すんな!しんじまったんだからしょうがねぇだろ、過去に縛られず、明るく行こうぜ!」
ハヤト「………………………………」
ふっと微笑し、空を仰ぐ。
ハヤト「(俺は…誰かがその言葉を言ってくれるのを待っていたのかもしれないな。…なぁ、エクス。)」
エクス「なぁ、気晴らしにロボトルしに行こうぜ!」
ハヤト「…そうだな、メダロッターズにでも行こうか。」
彼の瞳の中は以前とは違い透き通ったような感じが見られた。
メダロッターズ
リオン「あっちぃなぁ、ウイング。」
ちなみにウイングと行動をしているのがちっちゃいほう。二人同じにいる場合はSがつく。
ウイング「そぉかぁ?ずいぶん涼しいように感じるぞ、俺は。」
マントのような布を羽織っているウイング。
一階ロビーで奪ったパーツについて確認している。なかなかKBTやKWGなどの主流機はなく、その他の一般メダロットのパーツばっかりである。
ウイング「俺的にこのパーツなんかいいなぁ。」
手に取ったのはGWOー08型の左腕パーツ。今までのものとは違い、FAパーツのように外づけでつけるという一風変わったパーツ。
リオン「そぉかぁ?俺的にこの間のフル装備パーツの方がよかったなぁ。」
因みにフル装備パーツとは左肩に9連ミサイルポット、右肩に3連レーザー砲、左前腕部に4連ミサイルランチャー。パクリだなんて言わないでね。
ウイング「あれもいいけどなぁ。…あ。」
リオン「あ。」
彼の視線の先には鶏頭の少年。鍬利ハヤト。
ハヤト「お。」
エクス「よう!」
リオン「よう!(なんか…部長、雰囲気が変わった…。前よりなんか少しだけど暖かい感じがする。)」
ウイング「何しに来たんだ?」
エクス「ロボトルしに来たんだ。そうだ!お前ロボトルしねぇ?」
リオン「いいぜ!やってやろうじゃん!」
アナウンス「それでは、遊びでロボトルをはじめさせていただきます。それでは、ロボトルファイト!」
リオン「ウイング!右にステップしながらマグナム、間合いを詰めさせるな!」
ハヤト「出きるだけ回避に専念!隙を見たら接近しろ!」
44マグナムを適切な射撃で撃ちこむ。なんとかかわして接近しようにも44マシンガンの銃撃が飛び、なかなか思うように近づけずにいた。
エクス「くっそ…!」
直撃こそ受けてはいないものの、接近戦に持ちこめず怒りさえ覚えてきた。
ハヤト「落ち着け!エクス、頭部の性能を忘れたか?」
エクス「すっかり忘れてた!アンテナしか使ってなかった。」
胸部の装甲が開きいくつか半円状のものが射出される。
リオン「ウイング、撃つなよ!」
ウイング「わーってるって!伊達に11年機動してねぇっつーの!」
射撃を止め、後ろに2、3歩バック。銃口をしまい手のひらにあるフィールドジェネレータを起動させる。
ハヤト「いっけぇぇぇぇ!エクスカリバーーー!!」
シールドを前に突き出し、KWG特有の機動性を生かし一気に距離を詰める!
リオン「ウイング。」
いたって冷静に指示を出す。ただ一言。
エクス「はぁぁぁぁぁ!」
ビームブレードを上に振り上げる!
切った感触がある。勝った…そう思った瞬間だった。
ウイング「残念。いい攻撃だったぜ。ただ俺がF-ドライブを起動させる前ならな。」
一撃。エクスの頭部を殴る、つづいてアッパー。上に吹き飛ぶ。
ハヤト「エクス!」
相棒の声がする。心の中で思った、次に聞いた事がない、しかし懐かしい感じのする女性、否、女メダの声がした。
謎「どうしたのよぉ。だらしないわねぇギュウリス。」
エクス「おれはギュウリスなんて名前じゃない。エクスカリバーだ。」
謎「まぁどっちだっていいわ。そんじゃ、前みたいに…あなたに力を!」
瞬間、シールドのコアが輝く。その輝きがエクスカリバーのボディを包む。
身体が変化していく。なぜか身体の隅々までよく分かる。つい昨日のことのように思い出せる。
進化。
光が去った後に立っていたのはKWGの印象を残しつつもどことなく神々しい感じのする機体。両腕に透き通った蒼色の剣、シールドのコアであったものが左腕にはめ込まれている。
ウイング「あれは…ギュウリス!?」
自分でもなぜその言葉が出たのか分からない。しかし、何故か遠く懐かしい感じがした。
ハヤト「エ…エクスカリバー?」
エクス「…なんだ?」
ふぅ、と息をつきメダロッチを構えなおす。
ハヤト「GO!」
ウイングに向かって駆ける!体が軽い感じがするそして何より…速い!
ウイング「っつ…!」
44マグナムを連射する。が、どういうわけか当たる前に弾け、地面に落ちる。
ハヤト「いっけぇぇぇ!」
右の剣を横に滑らす!
後ろにバックステップしそれをよける!
さらに踏みこみ左の剣を縦に振る!切られるウイング。否、残像。
ウイング「…!」
44マグナムを一発。標的はエクス…の先の茂み。
エクス「…出て来い!そこにいるのは分かってるんだぞ!水の抑制主!」
茂みからゆっくりと腰を挙げるそれ。その姿は細部こそ違えどほとんど今のエクスカリバーと同じ。色がかなり濃くなって紺色になっている。
謎「ふふふ…やっぱり分かっちゃったかぁ。そんじゃ、僕らの野望のために君の存在は邪魔なんだ。消えてもらうよ。水のエレメンタル!」
両の剣を構える!
次回予告
ハヤト「なんなんだ…こいつは!」
エクス「このやろ!おおおおおおおお!」
ハヤト「メダフォース!?こんな短期間で二つ目?」
ナレーター「次回、白きクワガタの伝説「白き輝き」次回を待て!」