住所の位置に行くと黒い女性型メダロットが家の中にいて、話しは聞いていると空き部屋まで案内してくれた。
そこで色々と身辺についての説明をイマイチ状況を理解していないライトニングに説明をしていると、店員が帰ってきた。
「俺の家族なんだからお前の苗字は神龍だ。」
店員は帰ってくるや否やいきなりそれを言い放った。言い慣れてることから帰り道の間それを言うために何度か練習したのであろう。
龍祐「そうなると…僕の名前は神龍 龍佑ですか。」
店員「龍祐って名前なのか。」
後頭部をぽりぽりとかく。はい、と龍祐が返事をした。
店員「ああ、それと…」
龍祐「それと?」
店員「お前、メダロッター免許作ってないだろ。」
そのおかげで、前回パーツを手に入れられなかった。といっても龍祐は欲しいとも思わなかったが。
龍祐「そう言えば僕、免許作ってませんでしたね。」
腕のメダロッチに視線を落とす。
黒と灰のカラーリングの、それ。
「じゃあこれに書いて。」
ポケットからすこし折り目がついている白紙を取り出す。
それを受け取り、バックの中から取り出したボールペンで必要事項をうめていく、
龍祐「はい。ところで店員さん。名前なんて言うんですか?一緒に暮らすんだから、名前ぐらい教えてくださいよ。」
店員「んー。リオン。」
頬を、人差し指でかく。
「(神龍リオン?あれ?どっかで聞いたことあるような。)はい、書けました。」
書きおわった紙を店員に渡す。
リオン「明日学校の帰りにコンビニに来い。出来てると思うから。」
はい、と龍祐が返事をすると、部屋から出ていく。
「いいの?リオン、本名教えちゃって。」
黒い、女性型のカブトムシを模したメダロット。名をレイスという。
リオン「いいよ。減るもんじゃないし。」
冷蔵庫の上段から、冷凍食品を取り出した。
朝は朝とて忙しく、ほとんどリオンと会話することなくリオンのお古の制服に身を包み、学校に向かう。
前の家を去ったため、転校を余儀なくされたというわけである。
―学校―
生徒A「転入生が来るらしいぞ!」
生徒B「なんでもすごい可愛い子らしいぞ!大人しい系らしいぞ!」
何処から入手したのか、様々な情報が飛び交っている。間違いもあるが。
「(転入生?大人しい系?)」
それを静かに聞き耳を立てて聞く少年。名を冴慈 晃(さえじ あきら)という。
アキラ「…彼女ゲェット!」
早過ぎるよあんた。ひとり妄想を広げているアキラに殺意を投げかける女子。
「コロス…」
そうこうしているうちにチャイムがなり、みんなそれぞれの席に着く。
閉まっていたドアを空け、先生が入ってくる。その後に続く、黒い髪に黒い瞳、髪の長さは腰まであり、首もとの辺りで一度縛っている。
クラス中からおおッ!と歓声が上がる。
先生「今日からみんなと共に授業を受ける神龍 龍祐君だ。」
黒板に龍祐のフルネームを漢字を書く。
書き終わるのを見ると少し照れくさそうにし、自己紹介を始めた。
龍祐「先ほど紹介を頂きました、神龍 龍祐です。特技は…特にありません。」
はははと笑う。
龍祐「あ、一応言っときますけど僕、男ですよ。」
はぁ、とため息をつく男子生徒軍。
龍祐「とりあえず…よろしくお願いします!」
ぺこりと一礼。
―休み時間―
「使ってるメダロットは何型?」
「いつからメダロット始めたんだ?」
「ロボトル強いの?」
質問攻めにあい、なかなか抜け出せない状況になり休み時間はあっさりと全て消えた。
―放課後―
「三十六体目!」
レフェリー代わりの女子生徒が宣告する。
学校帰りに、花園3中地下のロボトルリングで軽くロボトルをしてみようと言う事で、みんなでここに向かった。
この二人が良く狙われる理由。それは、ブラックビートル自体が珍しいこととオリジナルカスタマイズが施してあるためである。
「いいぞーライトニング!」
観客から声援が上がる。
龍祐の横には山積みにされた36個のパーツがある。
龍祐「右四十五度、左九十度に敵ニ体!」
間を入れずに入ってくる上級生のメダロット達。
ライトニング自体は傷を受けていない。(受けてはいるがナノマシンの再生能力で回復できる範囲であるため、すぐに回復してしまう。)
精神的疲れを狙っての攻撃なのだろう。
ライト「おらぁ!」
両腕から、光の線が放たれる。
額に真っ直ぐに伸び、そのまま吹き飛ばす。
うまく頭部を射抜かれ、機能停止。
龍祐「次は後ろに2メートルジャンプ!」
さらに上空から迫ってくる白と黄色の格闘型。バックステップでそれを軽くかわす。
龍祐「いけ!とどめだ!!」
両腕を前に出し…
ライト「オラオラオラァ!」
レーザーを乱射する!
光の線を全身に受け、機能停止する格闘型。
ライト「次はどいつだ!」
黄色の瞳を光らせ、吠える。
―夕方、コンビニ―
ウイング「お、ライトニング。学校はどうした?」
やや疲れたような目をし、自動ドアを空ける。
ライト「別に。むしろ疲れた。」
このニ体の青いKBTが話しているとお客(?)が入ってきた。
ライト「あ!昨日の神龍とかいうやつだ!!」
それを聞き、意地の悪そうに目を細める。
ウイング「へー神龍ぅー。で、メダの名前は?」
ライト「たしか…ウイングとリューだったかな。」
ウイング「ふぅーん、ウイングかぁー。じゃああいつは伝説のメダロッターなのか。ロボトルロボトル。」
不良に近づいていく。
不良「なんだ貴様!俺とロボトルしたいのか?!」
すでに半ばキレモード。
ウイング「うん。」
こくりと頷く。
不良「表に出ろ!!」
メダロッター無しでは、2体相手に勝てるはずもないだろう、その読みはこの後見事に砕かれることになる。
―表―
「そのロボトル合意とみてよろしいですね。」
コンビニの外に出ると何故かレフェリーが待ち構えている。
ウイング「おっけー。」
夕日を背に受ける。背中が少し熱い。
不良「いいぜ!」
レフェリー「それでは、神龍チーム対神龍チーム。ロボトルゥゥゥゥゥゥゥゥファイト!」
不良「撃て!ウイング、後ろに廻り込め、リュー!」
左腕のマシンガンからの射撃。それも数歩後ろに下がるだけで地面に当たる。
ウイング「あ〜あ、俺の射撃はこんなもんじゃないぜ。」
両腕を上に上げ、肩のエアーブースターを下に向け噴射する。
大きく地面から離れるウイング。先ほどまでウイングがいたところをリューもどきが通過していく。
ウイング「これが本物の射撃だ!」
大きく足を振り上下逆さまの状態に。
そのままリューもどきの首元に弾丸を一撃。間接部に突き刺さり、システムがダウンする。
ウイング「これで終わりだ!偽モン!!」
頭部の角から、通常の反応弾よりも細いミサイルが放たれる。
棒立ち状態のウイングもどきに当たるには、あまりにも容易な早さであった。
すぐには爆発せず、頭部の真ん中辺りまでめり込み、そこで爆発を起こす。
ウイング「ちょっと威力が強すぎたかな?ま、いっか。」
反転し、着地。
すこしバランスを崩したのか、よろける。
レフェリー「しょー――――しゃ、ブレードウイング!」
さも当然、と言った感じで緑の瞳を細める。
レフェリーが去ったのを確認すると、不良に銃を向ける。
ウイング「貴様だな…この辺りでリオンの名を語り初心者狩りをしていたのは。」
不良「脅しのつもりか?はん、撃てるもんならうってみな!」
メダロットのメダルには本来メダロット3原則というのが掛けられている。
それによればメダロットはメダロットは人に攻撃できない。というのがある。
しかし…
ウイング「俺のマスターの名を使った罪…思い知れ!」
銃撃。
放たれた弾丸が、首もとの校章を弾き飛ばす。
不良「な…?!」
ウイング「俺を怒らすな…これ以上リオンの名を、俺の名を使うな!」
まだ煙が出ている銃口を、不良の顎に押しつける。
身長1メートルちょっとのロボット。たったそれだけの相手に脅されている。それだけ、ウイングの殺気が本物だという事。
「も…もう使いません!わぁ―――――!」
全力で走って逃げる不良、途中でつまずき、こちらを見てまた走って逃げる。
ウイング「あれで良くリオンの名が名乗れたな。」
殺気を解き、腕を下ろす。
リオン「偽モンだからってあれほどまですることないでしょ。」
いつの間にコンビニから出てきているリオン。
ウイング「いいよ、リオン。偽モンなんだし。」
それもそうだな、と相討ちをうつリオン。
その夜、連続ロボトルでへとへとになった龍祐が、楽しそうにその日の事を話していた。
「何で急に買い物なんてするんだよ。」
実は龍祐もててるんとちゃう?
「よぉし、レジ直行!」
何故かついてくるウイング
なんか色々とありまして…
次回「メダロットを買いに行こう」
「私のVer.R!」