アキラ「龍祐、なんでメダロット始めたんだ?」

誰の椅子だか分からないような龍祐の前の席の生徒の椅子に座り、龍祐と面を向かって話している。

龍祐「えっと…なりゆき、ですかね。」

軽く頬を人差し指で書きながら、この間のことを思い出す。

…ホントに成り行き任せだなぁと。

アキラ「成り行きか。そういやお前のブラックビートルカスタムしてあったな。誰が改造したか分かるか?」


もう一つの翼  第3話  メダロットを買いに行こう!


龍祐「えっと…多分、リオン兄ちゃん。」

確証はないような喋り方。ホントに確証はないのだが。

龍祐「あ!そうだ。」

何かを思い出したようにポン、と手を叩く。

龍祐「今日はメダロッターズで在庫処分の日だって。アキラ、いっしょにいかない?」

笑顔で尋ねる。アキラがおうと答える前に誰かの声がそれを遮る。

「龍佑君が行くんだったら私達も行こうかなぁ〜。」

龍祐の周りを影が覆う。何かと思い首を持ち上げる二人。

龍祐を囲むようにして女子が三人立っている。

右から真弓(まゆみ)、玲(れい)、爾奈(にな)。

アキラ「今の話きいてたのか?」

首の後ろに手をやりながら、アキラが尋ねる。

「まあね。ところで、龍佑君、さっき「リオン兄ちゃん」って言っていたけどあの神龍リオン?」

「フルネームだとたしか同姓同名だけど…」

「じゃあ多分本物ね。その人、メダロッチふたつしてるけど一体しか出してないでしょ。」

「う〜ん、ふたつしてたかな?僕、良く見てないからわかんないや。」

「で、出してる方がKBT型で背中に天使のような羽根が生えてるでしょ。」

「うん。それは覚えてる。珍しかったから。」

「やっぱり。たぶんそれ、本物だわ。」

「本物って…偽者もいるの?」

「よくあることよ。」

「そうなのか。(じゃあ昨日のは偽者かな。)」

「じゃあ、駅前で待ち合わせね。」

「うん。ってあれ?いつの間に決まったんだ?!」

 

 

放課後駅前

「何で急に買い物なんてするんだよ」

「ライトニング、それはね、今日はメダロッターズで在庫処分の日だからだよ。」

「ふう〜ん。」

「で、何でてめえまで付いて来るんだよ。」

ライトニングの視線の先には青いKBT型が立っている。

「さあ、何の事?僕にはさっぱり。」

「てめぇぇぇぇぇぇぇぇ。」

「まあそこらへんにしといて。」

互いに銃口を相手の額に当てている。すでにケンカムードだ。

「お〜い、龍佑〜。」

「おそいよ〜みんなぁ〜。」

「ごめんなさい、化粧に時間がかかって。」

「………(なんのこっちゃ)」

てくてくてく(こっから先は誰のせりふかをにんしきできるように。)

WING「さぁ〜ついたぞ〜買いあさるぞ〜。」

龍「皆さん先行ってて下さい。僕はパーツ売ってこなきゃいけませんから。」

A「先行ってるね〜。」

W「まずは、KBT、KBT。」

N「あの〜アキラさん。どんなメダロットを買ったらいいでしょうか?」

A「え〜と、まずメダル売り場でメダルを選んできたらいいと思うよ。」

N「はい、それでは。」

W「お!まずはアークビートルとダッシュ、それにライトまで!ラッキ〜♪」

N「あ、このメダルにしましょう。」

彼女が手に取ったのはフェニックスメダルだ。

W「あ!超レアのメタルビートル!!それにヘッドシザーズ!!!」

M「アルテマブラインGET〜♪」

龍「何かおっか、ライトニング。」

ラ「う〜ん、射撃系。」

レ「あああああああ!!超レアモデル、サイカチスリオンモデルだぁぁぁぁぁぁ!!!即GET!!!!!!」


サイカチスリオンモデルとは…神龍リオンが使っていたメダロット、ウイングの量産型ボディ。ほかにもドークスリオンモデルもある。


W「あああああ!2156年モデルヘラクロスビートルじゃないか!」

龍「やっぱりニ体目も欲しい?」

ラ「別にいいよ。」

N「ティンペットはどのようなものがよろしいのでしょうか?」

A「え〜と、まずは大きく分けて男性型と女性型。まずはどっち?」

N「女性型にしますわ。」

A「で、つぎはスピード型、パワー型、万能型があるけど。」

N「では、スピード型にしますわ。」

A「ん〜とね、次はパーツ選び。基本的に性別さえ間違わなければなんでもいいんだ。」

龍「これにしようか。」

ラ「これにしよう。」

彼らが手に取ったのは2100年記念のKLN型

N「これにしますわ。」

彼女が手に取ったのは2094年型CAT型

W「よぉし、レジに直行!」

店員「全部合わせてーーーーー円になります。」

W「はい、ぴったしーーーーー円。」

店員「それではレシートをお受け取り下さい。またのご利用を心よりお待ちしています。」

W「ほかのみんなはどこいったのかな?」

N「あ、龍佑君。何にしたのですか?」

龍「僕はね、2100年モデルのKLN。」

N「私はこれにしましたわ。」

龍「CATかぁ。そろそろレジに行こうよ。」

N「そうしますわ。」

レ「うっし。会計も済ましたし、さっそくつけてあげよっかな〜。」

M「れい、何買ったの?」

レ「じゃーん!サイカチスVerR!!」

M「それって限定20000個のやつじゃん!」

レ「いいでしょ。残り後一個だったんだ〜♪」

M「ぬうう。」

龍「あ、みんな買い物終わったんだ。」

会計を終えた龍佑が声をかける。

M「龍佑君は何を買ったの?」

ラ「さっきからおんなじことの繰り返しのような…」

龍「そろそろ皆さん帰りましょう。」

一同「そうしようか。」

 

このあと家に帰ったウイングとライトニングのティンペットにパーツが合わなかったのは言うまでもない。


次回予告

ラ「そろそろ俺ら活躍してもいいんじゃない?」

龍「うん、そうだね。」

W「次回「もう一つの翼」『ロボトルしようぜ!』に、」

ラ、龍,W「ロボトルゥゥゥゥゥファイト!」

ラ「てめえ!でてくんじゃねェ!!」