もう一つの翼  挑戦状!初めての2対2


ここは花園3中。神龍 龍佑が通っている中学校だ。

「おはようございま〜す。」

明るい声で挨拶をする少年。ちょっと間違えば小学生にも見える。

「おはよ〜龍佑。」

「今日、ぼくの下駄箱にこんなのが入ってたよ。」

ポケットから封筒を取り出し友達のアキラにそれを見せる。

「え〜となんだこれ?」

封筒の封を開け中に入っていた手紙を読み上げる。

挑戦状

神龍 龍佑、この間はよくも我が同士を倒してくれたな。

本日、午後6時に花園3中の裏の土手で待つ。

勝負の方法は2対2の正式ロボトルだ。

ロボロボ団幹部 タクアン

だって。」

「ふぅ〜ん。」

「で、どうするの?」

「いくよ。だってわざわざ手紙までくれたんだもん。」

「ようし、頑張れよ!」

「うん。」

 

午後6時。対峙する二人の人。一人は妙に髪が長い少年。もう一人は全身タイツに二本角の男。その前に4体のメダロット。そして中心に立つ白いワイシャツに赤い蝶ネクタイ、黒いズボンの人。日はすっかり落ち、辺りは真っ暗になっている。

 

            神龍 龍佑VSロボロボ幹部 タクアン

    使用メダ  ライトニング  ワッフル

        (KBT36〜39K) (STG91〜94) 

              ナース  レオ

        (NAS21〜24)  (KLN61 KWG72〜73 KLN64) 

   フィールド  花園3中裏  土手

 

「それでは…ロボトルゥゥゥゥゥゥファイト!

たかく挙げた腕を振り下ろす。

「ライトニング、まずは…」

指示を出す前にいきなりライトニングが斬りつけられる。

「え、えっと…回避に専念!ナースさんはホーリーグランド!」

辺りが暗いためよく見えず的確な指示が出せない。

「いきなり行くロボ!速攻で決めるロボ!!」

「御意ロボ!」

ぐるぐるとライトニングの回りを同じスピードで周回し交互に斬りつけている。

「んと…えっと…!!飛べ!!!!」

2メートルぐらいジャンプするライトニング。

「ナースさん、格闘戦!」

「了解!」

攻撃が外れ、フォーメーションが一瞬崩れた隙を見逃さず、格闘戦で敵のうち一体が吹き飛ぶ。

「倒れた方の頭部を撃って!」

「おう!」

予想外の展開で思いっきりビームを食らうKLN型。

「ロボ〜」

機能停止。

「敵はあと一体…格闘系だから…いや、STGは対射撃トラップを持ってるから…」

頭をフル回転させて作戦を練る。

「どうしたロボ…来ないならこっちからいくロボ!」

闇に隠れ完全に姿が見えなくなる。

「どこだ…」

辺りを見まわして敵の姿を探すがそう簡単には見つからない。

「うわっ!」

突然現われ、右腕に装備されている刃でライトニングに斬りかかる。

が、間一髪左腕で防御する。

「左腕パーツダメージポイント32%レーザーパーツ機能停止、機能停止。」

「このやろ!」

「あ、撃っちゃだめ!」

止めるのが遅く、右腕パーツが射撃トラップにかかってしまう。

「右腕パーツダメージポイント100%機能停止、機能停止。」

「どうしたら…そうだ!ナースさん、ライトニングの左腕回復して、ライトニング防御!」

「おう!」「はいはい。」

「あと、ナースさんホーリーグランドでダメージ受けないようにして!」

「ん。」

回復中…

敵の攻撃もホーリーグランドのおかげで受けずに済んでいる。

「回復完了!いくぜ!!」

気合を入れるのはいいのだが、敵の姿が見えないのではしょうがない。射撃パーツで攻撃しようにも逆に返り討ち(トラップ)に遭ってしまう。

「えっと…えっと…ああ!」

ライトニングの左腕に刃が深く突き刺さる。

「ぐ…おおおおおおおおお!」

深く突き刺さったため抜けないワッフルの右腕を掴み、へこませる。

「ロボ!?い、いたいロボ!」

装甲がますますへこんでいく。

「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

刃を腕ごと抜き、その腕を離さぬまま背負い投げの体制になる。

「射撃がダメなら…格闘戦だ!!

どぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん。一本。

 

「リーダー機、機能停止!勝者、神龍 龍佑!!それでは、パーツをどうぞ!」

先ほどライトニングがへこましたSTGー92のパーツを受け取る。

「くっそぉ、神龍 リオン、覚えてろ!」

「龍佑です。」

即答。

機能停止したニ体を担ぎ、闇の中に消えていく。

「ぼく達も帰ろうか。」

後ろにいる愛機に話しかける。

「今日はなんっか疲れたぜ。」

「早く帰っておふろはいりた〜い。」

それぞれコメントする。ともあれ、とりあえず勝ったのだ。

 

ロボロボ基地

「首領〜負けてしまったロボ〜」

パソコンに何かを打ち込んでいる男に向かって先ほどのロボロボが報告する。

「そうか…では、闘ったニ体のメダルを貸してくれ。」

メダロッチの中にあったメダルを抜きその男に渡す。受け取ったメダルをパソコンにつないである箱の六角形のくぼみにはめる。すると、先ほどの闘いの様子がディスプレイに映し出された。

「おや…この少年…」

「え〜っとその少年は…たしか〜神龍 龍佑ロボ!」

「神龍?」

「えっと…両親が行方不明になりその親戚に身を寄せていましたけど数ヶ月前、とうとう追い出され、神龍 リオンにひろわれたからその苗字になって…」

「そうか…そう云う事か…」

「?」

「月島博士をしっているか?」

「あの…”ウイングメダル”の開発に関わったと言われている人ロボ。現在行方不明ロボ。」

「そう…恐らく神龍 龍佑は月島博士の息子だろう。」

「ええ!!」

「だから彼はウイングメダルを持っていた。」

「首領、ウイングメダルってそんなにすごいロボ?」

「そうか…君は知らないか…では教えよう。アガタヒカルのメタビー、天領イッキのメタビー、節原博士のヨウハク…etcそれらの戦闘データをあわせた最強のメダルそれがウイングメダル。」

「でもそれじゃあ感情がないロボ。」

「いや、完全に無からメダルを作り出せるわけではない。元となったメダルにそれらのデータを写し、完成する。」

「すごいロボ!」

「では次の任務は分かるな。」

「分かりましたロボ!」


次回予告

「おっす!俺だ!!アキラだ。」

「次回は何で御座る?」

「な〜んと!次回は転校生が来るぞ!」

「おお!」

「次回、「もう一つの翼」『転校生、登場!』に…」

『ロボトルファイト!』


続く