もう一つの翼  第7話   メダルハンター怪盗R


今は夜中の神龍家。

ひとりメダロッチにつないだメダネットボードをいじっている。

「ん〜とメールが一通、なんだろ?」

彼はそれを見た瞬間、真剣な顔になった。

「明日か…」

 

3日後

「へぇ〜メダルの盗難事件。」

「そう、展示しているのとか使ってない予備のとか。」

「あ、そう言えば博物館に予告状が届いたんだって。」

「じゃあいってみましょ。お〜い龍佑く〜ん。」

「は〜い。」

声を聞きその声の発信源に向かう龍佑。

「何ですか?」

「今日、博物館行かない?」

「え?え?え?」

そりゃそうである。いきなり呼び出されてそんなことを言われりゃ混乱するであろう。

「じゃあ博物館の前で。」

「あ…行っちゃった。」

 

 

放課後

「ライトニング、転送!」

「ブー、応答がありません。」

メダロッチ、即答。

「応答がありませんって何処行ったんだろ。…仕方ない歩いて帰るか。」

彼は空をぼんやり眺めながら家に帰っていった。

 

 

「ちょっと待つロボ!」

茂みの中から全身黒タイツに金色の二本角の背の高い細い男が飛び出す。

「神龍龍佑、いざ尋常に勝負ロボ!転送!!」

「なに?この変態は!?ラ、ライトニング転送!!」

数メートルの距離を置いて向かい合う二人の間に二つの光が現われる。

「ライトニング、見参!」

「ふぁ〜眠いロボ〜まぶしいロボ〜。」

「その勝負合意とみてよろしいですね!?」

いきなり地面から姿を表す。

「お、おうロボ!」「うん!」

 

           神龍 龍佑VSロボロボ幹部 オチャズケ       

 使用メダロット ライトニング   ユウイチタン

 フィールド      道路            

 

「それでは、ロボトルゥゥゥゥゥファイト!」

「まずは右腕!」

「おらぁ!」

閃光がライトニングの右腕より放たれる。

「ユウイチタン、回避ロボ!」

「ロボ〜」

ズルズルズル(移動の音)、ボン!

「ロボ〜痛いロボ〜」

「次、レクリスモード!」

肩のポットが腕に、腕のビームユニットが肩に、脚部が反転しタイヤが姿をあらわす。

「後ろに廻りこんでバックドロップ!」

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」

「ロ〜ボ〜」

ゴン!鈍い音がする。

「頭部パーツダメージ100%機能停止、機能停止。」

「ひぇ〜ユウイチタン〜」

「勝者、神龍 龍佑!それでは!!」

「危険人物No、8 神龍 龍佑!覚えてろロボ!!」

「危険人物?なにそれ?」

龍祐はライトニングが知ってる範囲では危険とは無縁の人間である。

「僕に言われてもよく分からない。」

「ふぅ〜ん。まあ、いっか。」

「あ、そうだ!早く行かなくちゃ!!」

バタバタバタバタ

 

博物館前

「ごめーん、待った?」

「もう、今日は龍佑くんのおごりだからね!」

「はぁ〜い。」

「れっつごー!」

「とほほ。」

入場料(龍佑負担)を支払い、中に入る。

白い壁、大理石の床。広い場内。

しかし。

ガラスケースの周りにはびっしりセレクト隊が並んでいる。

「これじゃあ、見れないね。」

「うん。」

あきらめて辺りを見まわす。

「あ、あっちでロボトルトーナメントやってるよ。」

「え〜っと、なになに18歳以上の部。だって。見てみましょう!」

 

 

「あ、やってる。」

中で戦ってるのはKBT型とWEA型。

「ウイング、右に回避!」

「ブラスト、デスミサイル!」

「この声…聞いたことがある。」

「誰?」

「リオン兄ちゃんと瑠璃姉ちゃん…」

「リオンって、あの?」

「多分。」

「へぇ〜」

「反応弾!」

「おらぁ!」

しゅるるるるるるるるる。

「デスブラスト!」

ジジジジジジジジジ、ボン!ボン!

「両腕、構え!」

肘を腰のところに持ってきて両腕を構える。

「いけっ!」

「うぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!」

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

「ガァァァァァァァァァ!!」

バタ、前のめりに倒れこみ敗北を告げるメダルが飛びだす。

「優勝は神龍リオン!4年連続チャンプです!!」

「すっごーい。」

驚きながら感動していると、突然、明かりが消え真っ暗になった。

 

「メダルはいただいた!さらば!!」

作り声のような低い声で奪ったことを告げ、何処かに去っていく。

「逃がさないであります!」

「追いかけるであります!」

次々と光がさしこんでいる入り口から出ていくセレクト隊員。明かりが元に戻るとショーケースの中にあったと思われるメダルが一個転がっていた。

 

「あ…メダルだ。」

「それ、貰っちゃえば?龍佑君が拾ったんだし。」

「うん!そうするよ!」(※よい子はねこばばはしちゃいけません。)

「ちょっとリオン兄ちゃんに会ってくるね。」

「あ、わたしも着いてくよ。サイン欲しいし。」

タッタッタッタッタ

「あれ?いない。」

「何処行ったんだろ?」

「じゃあ、いいわ。帰りましょ。」

「え?もう?」

「だって他にやることないじゃん。」

「たしかに。」

「じゃあねぇ」

「さよなら。って今日は疲れたなぁ。」


次回予告

「今日は疲れたなぁ。」

「今回は一体なんだったんだ?」

「まあまあ、次はお正月だよ。」

「え!今日は学校あったじゃん!!」

「作者のミスだよ。次回「もう一つの翼」『新しい仲間』に…」

『ロボトルゥゥゥゥゥファイト!』

「え?仲間って…」