もう一つの翼  第6話  クリスマスパーティー


今日は12月25日俗に言うクリスマスである。何でも夜中にサンタさんがプレゼントを置いていくと言うメルヘンチックな感じだがこの男にはそんなことは分からない。

「うるさいなぁ、ナレーター!」

「リオン、何天井にケチつけてんだ?」

「……………………しまった。」

 

「あ、龍佑。なんでも今日クリスマスパーティーやるみたいだから来いって。」

「うん、わかった。で、どこで?」

「ん〜と、そうだ。まゆみの家だって。」

「ん、わかった。楽しみにしているよ。」

 

「そんなこんなで我々はまゆみちゃんの家に来たのでした。」

「龍佑、お前誰と話してんだ?」

「ライトニング、それは気にしちゃ行けないよ。」

「じゃ、おじゃましまーす!」

「おじゃましまーす。」

彼らは驚いた。パーティーをやるぐらいだから、ある程度広いとは予想はしていたがまさかここまでとは思わなかった。

『…広い。何処に行けばいいんだ?』

「そっから3階上って!」

はるか天から声がする。

「3階ってどれほどあるんだ?」

「ぼくもよく分からない。とにかく行こう。」

 

「つ、着いた。」

息もも絶え絶えに、中腰になる。

「疲れたー。」

「あ、来たね。じゃあ、これ持って。」

龍佑とライトニングに一個づつクラッカーが渡される

「それじゃあ…」

まゆみが指揮を取る。

「せーの、」

『メリークリッスマス!!』

中央に置かれた数一〇メートルのクリスマスツリーに向かって、五人と五体分のクラッカーが打ち出される。

「さてさて、ここでお食事ターーーイム!」

おいしそうな料理が沢山運ばれてくる。

「…お食事タイムって拙者達は何を食べればいいでござるか?」

テラカドの言葉を無視して皆は料理に食らいつく。そう、メダロットは人間が普段食べるようなものは食べれないのだ。

「貴方達はこれを御飲み下さい。」

執事のような人がオイルのカンを沢山持ってくる。

「わーい。」

とりあえず出されたオイルを飲む。

 

お食事タイム中…

 

「ふぅー、満腹満腹。」

「じゃあ、アキラ。満腹になったところでロボトルよ!」

「ちょ、ちょ、ちょっとまて!何で俺なんだよ!」

「この前引き分けたからよ!」

「え、え、何それ?」

「あ、気絶してたから覚えてないかもしれないけど、テラカドとアルテマが相打ちになったんだよ。」

「龍佑ぇ〜それはどういうことだぁ〜。」

「今言ったとおりだよ。」 

「よっしゃぁ、やってやらあ!俺とテラカドの力見せてくれる!!」

 

アキラ VS まゆみ 

      使用メダロット テラカド    アルテマ

      フィールド     まゆみの家 3階

 

「じゃあ、ロボトルゥゥゥファイト!」

龍佑の手が振り下ろされると同時にメダロッチに指示を出す。

「テラカド、”残影”!」「アルテマ、バルキリーセイバーで接近戦!」

テラカドが残像を残して消えて、剣が残像を切る。

「何処に逃げた!」

辺りを見回すがテラカドの姿はない。

「う〜ん、メダルの特性を生かしたか。」

「どうでるかな。」

野次馬がそれぞれ勝手な事を言っている。

「もらったぁ!」

後方からチョッキンブレードで攻撃を仕掛け、致命傷を狙う。

「甘い!」

が、その攻撃もバルキリーセイバーで防がれてしまう。が、彼はそれを読んでいたのだ。

「な、爆発!?」

剣を振りきった先には浮遊機雷が設置してあったのだ。その爆発で隙ができたのを二人は見逃さなかった。

「今だ、縦一閃!」

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

メダフォースオーラでテラカドが包まれる。そして、刃を振るうと同時に真空波が発生する。

「なっ?!クワガタメダル?」

「いや、忍びメダル。」

真空波がアルテマに命中し、光となる。

「全パーツダメージポイント46%。」

メダロッチが淡々とダメージポイントを告げる。

「まだいけるわ!」

「まだだぁ!」

以前、闘志剥き出しって一歩も引かない。

踏み込み、バルキリーセイバーで突きをいれる。

「テラカド、後ろにジャンプ!」

「分かったで御座る!」

KWG特有の素早さを生かして、軽々回避する。

「メダフォース、オールブリザード!」

「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

冷たい冷気が辺りを駆け抜ける。

「くっ、体が…」

頭部パーツを残して他のパーツが凍りついている。

「アルテマ、とどめ!」

「でぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!」

剣で切れる音がしテラカドの背中からメダルが射出される。

「テラカド機能停止!勝者アルテマ!!」

「ガクッ。」

がくっりといった表情でうつむいてしまった。

「所詮あんたなんかわたしの敵じゃないのよ!オーホッホッホッホッホ!!」

「んだとてめえ、もう一回やるか!」

「望むところよ!」

「やれやれ。」

こうしてクリスマスパーティーはロボトル会場と化したのでした。


次回予告

「今日は楽しかったねェ。」

「そうか?俺出番ほとんどなかったぞ。」

「次回は怪盗のお話だよ。」

「何だそりゃ?」

「次回「もう一つの翼」『メダルハンター怪盗R』に」

『ロボトルゥゥゥゥファイト!』

「怪盗って何だ?」