メダロッター流 最終話 ファイアVSフリーズ
意気揚揚と張り切る流。
「がんばるぞ〜。だろ。」
すかさず突っ込むファイア。
流「そうかも。」
まあいい。とりあえず話を進ませよう。
公園
ファイア「進みすぎじゃない?」
驚くファイア。それを無視してロボトル相手を探す流。
流「お!早速ターゲット発見!!」
視線の先には冷えたようなカラーリングをしたKWGをつれた人。小5ぐらいか?
流「お〜い、そこの手前。ロボトルしない?」
初めて会う人でも容赦なく無礼を働く流。
「俺か?ふん…俺の名前は青雲 源(せいうん はじめ)貴様の記憶に叩き込んでおきな。」
こちらも負けじと無礼者のようだ。
流「おもしれえ…やってやろうじゃねえか!」
メダロッチのカバーを開く。早くも闘志に火がついたようだ。
源「…それじゃあ、この石が地に付いたらロボトルファイトだ。」
拾い上げた石を上にほおる。
…石が地に付く。
源「鋭角飛び!」
流「バックステップ!Fマシンガン!」
フリーズが、右に飛ぶ。それを追って弾丸が走る。
すかさず、左に飛ぶフリーズ。先ほどの弾丸が、地面を焦す。
流「近づかせるなよ!バックステップ!」
更に後ろに飛ぶファイア。Fマシンガンを放つが一向に当たる気配を見せない。
フリーズ「弱い弱い!」
鋭角飛びをやめ、ファイアに向かって直進するフリーズ。
ファイア「このやろぉ!」
Fリボルバー連射!
しかし、フリーズの振るう刃で、真っ二つに切られ、更に凍りつかされて落ちる弾丸。
流「いっけぇ、接近戦!近くなら当たるだろ!」
ファイア「ぬおおお!」
突っ込んでくるフリーズに対し、ファイアもFマシンガンを連射しながら突っ込む。
源「飛べ!」
フリーズ「おう!」
地面を踏みしめ、片足でもおおきく跳躍する。
太陽に重なり、クワガタ虫としてのシルエットが映し出される。
流「空中…飛んでる間は避けられないはず!火炎弾!」
ファイア「おうさぁ!」
カブトムシのシンボルでもある角から、炎に纏われたミサイルが飛ぶ。
流「あたれぇ!」
フリーズ「馬鹿め…メダフォーーース!横一閃!」
フリーズの身体が輝く。光がフリーズの右腕に集まる。
フリーズが右腕を大きく振るう。
銀色の衝撃波が、真下にいるファイアに向かって放たれる。
ミサイルを打ち消し、ファイアに向かって直進する衝撃波。
流「ファイア、耐えろ!奴の着地の一瞬でアレを叩き込む!」
ファイア「分かった!…おおおお!」
ファイアの身体を黄金のオーラが包む。
銀色の衝撃波が、ファイアに激突する。
煙が、辺りを包む。
流「今だぁ!」
フリーズが着地した。一瞬だけのスキ。二人が待っていた好機。
黄金の光が煙を吹き飛ばし、フリーズに向かって突き進む。
ファイア「おおおおおおおッ!!」
光がフリーズを包む。そして、爆発。
爆風が、砂塵を吹き飛ばしファイアの姿を露にする。
両肩のアーマーが吹き飛び、両腕に大きな切れ込みが入っている。そして、脚部は凍りつき、動けない。
ファイア「やった…?」
ゆっくりと仰向けに倒れるファイア。
流「必殺技は必ず殺すと書くからな…これで相手が立ったらインチキだぞ。」
フリーズの背中から、メダルが射出される。それに少し遅れて、ファイアの瞳が完全に消える。
な&は『…引き分け!?』
メダルの回収に走る二人。
ファイアの背中から、幼虫のメダルを取り出す。
緑色のコア、黄金のメダル。
それをメダロッチに収める。
流「大丈夫か?ファイア。」
ファイア『ああ、んで、結局どうなった。』
流「引き分け。」
ファイア「そっかー。ま、しょうがないってとこか。」
源「おい。」
いつの間に、そばに立っている源。
源「お前、強いな。いつからメダロットを始めたんだ。」
流「えっと…3日前。」
指をおり、数えた結果。
源「…初心者か。まぁ、それでも強い方だろ。何せ不敗の俺と引き分けたんだからな。名前は?」
流「流。海 流だ。んでこいつはファイア。」
左腕の青と白のメダロッチを見せる。
源「海 流か。よく覚えておこう。…次は俺の勝ちだがな。」
流「甘いな。俺の目標はリオンさんを越えること!貴様なんぞその道の小石にしか過ぎないってことだ!」
源「ふっ…いつかはその減らず口を利けなくなるようにしてやるよ。」
公園から去る源。
ふぅ…と息をつき、青い空を見上げる。今日は、良い天気だ。
「お兄ちゃん!」
ビックリして、前を向く。目の前に立っている三つ網の少女。
流「なんだよ澄(ちょう)。」
海 澄。流の妹に当たる。現在二年生。
澄「お母さんがお使いに言ってきてって。私じゃ荷物持てないからよろしくね。」
渡されたお金を受け取る。そして、公園から去っていく澄。
流「…可愛くない奴だな。」
渡されたお金を握りなおし、天に突き出す!
流「俺の戦いはこれからだ!俺は絶対…リオンさんを超えて見せる!」
天に響く誓い。
彼の戦いはまだ続いていく。
白き伝説と共に。
Fin